資料の集めすぎ、説明会や講座に参加しすぎ……では、疲弊するばかり。ここでは、他の就活本が教えてくれない「就活システム10のポイント」を、企業側、学生側の両視点から提示しています。
・就活本を何冊も買って熟読し、書いてある通りに実践している。
・スケジュール帳には、合同説明会や就活講座の予定がいっぱいだ。
・就活の資料を山のように集めている。
・就活の何からやったらよいかわからず、とにかく片っ端からやっている。
・面接などの模範例をしっかり暗記している。
以上のうち、ひとつでもふたつでも身に覚えがあれば要注意! あなたは就活に振り回されてしまっている「就活シンドローム」かもしれません。
他の就活本が教えてくれない就活システム10のポイント
企業編
①どこも人手不足で人が欲しい。
就職を希望している学生は40万人以上もいるのに、企業は人手が足りないという矛盾。その原因は、企業が成長して仕事量が大幅に増加しているのに人員の補充が追いつかないこと、それに、学生の希望と企業の需要のアンマッチが大きいようです。
②必要な人材選びに苦労している
会社は営業要員を多く欲しいのに、営業希望の応募者が少ない。学生の多くは事務職、企画職、研究開発職などを希望しているのに、実は、企業はそれらの職種に人員をそれほど必要としていない……というように、企業が重点的に補強したいという部分と、働き手となる人たちの働きたい仕事が、うまく合致していないという現実があります。
③既存の就活セオリーでは人材が採れない
就活と言えば、企業が広く募集をかける→就職希望者が応募してくる→応募者の中から企業が人材を選ぶ──というのが、常道。これまでの一般的なセオリーでした。今もこのやり方が主流であることに変わりはないのですが、①②で書いたような学生と企業の希望のズレは大きくなっていく一方で、人手不足は解消されるどころか、ますます深刻化することは明らか。このセオリーが通用しなくなってきています。
④3年以内の離職率が下がらない!
以前なら、1回勤めた会社をやめると〝ダメ〟の烙印を押されがちで、「途中で挫折したヤツ」というイメージがありました。最近ではそんな偏見が減って、転職が自由になってきているようです。
⑤悪循環を打破できず、採用疲れが深刻
やっとの思いで採用した新入社員が「ようやく一人前に」と思っていたらやめてしまった。もっと成長してくれると思っていたのに伸びてくれない……さまざまな状況から、企業の多くはかなり採用疲れをしている、というのが現実です。
学生編
①親子ともに安定したい
大手企業や一部上場企業、公務員など安定した就職先を求めているのは、お父さん世代も今の学生も同じ。というか、親の価値観が子どもに影響しているところが大きいのかもしれません。
②大手に就職できるのは約1割だけ
大手企業が受け入れられる採用数に対して、希望者は約10倍。希望通りに就職できるのはせいぜい1割程度で、9割の学生たちは、採用のワクからはじき出されているのです。
③大手とそれ以外の異なる対策に追われる
大手企業に就職したいなら、エントリーシートの書き方から始まって、筆記試験や面接などの対策が必要です。何しろ合格ラインは1割以内です。対策をしっかりするのは当然なのですが、それ以上に、自分は光る逸材であることをアピールできないと採ってもらうのは非常に難しいでしょう。
④ 「不本意就職」か、メンタルをやられるか
勤め始めてからも「本当にここでよかったのだろうか」「こんなはずじゃなかった」などと、なかなか割り切れないモヤっとしたものを抱き続けることも少なくありません。
⑤やりがいを見出せず、3年以内に離職
3年以内に離職してしまう人が30%以上もいます。本当に自分がやりたい仕事に就けずに「やっぱり違うかな……」とやめていくケースがほとんど。ただ、やめたからと言って、本当にやりたい仕事に就けるかと言うと、何の保証もありません。